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    3年後。とあるそこら辺の事件を解決した帰り道の2人。ネウロ視点

・『片羽』(かたは) サイ×アイ A5・コピー誌 P12(本文)  ¥100
    捏造対シックス戦後。サイ生存のif話。サイが自分のナカミを見つけた後のこと。サイメイン


『永久歪』 ネウロ視点

 謎が転がっているだけの世界なら、この世界を探す過程でいくつも見てきた。
 中にはハルの作った謎よりも、食欲をそそる香りを放つものさえ存在した。…まあ。それ故、つまみ喰いはしてみたが。
 味も量も申し分なかった。我が輩の探す究極の謎なのではないかと。その一角なのではないかとさえ思う、美味な謎。だが、それにも関らず。

 何かが、足りない。満たされない。

 その考えが、意識の何処かにあった。足りないもの。それが何なのか、解らないままこの世界を欲していた。


 「…つまらん。これだけか」
 「ごめんね。ワビシイご飯で」
 「全くだ。もっとましな謎はないのか」
 事務所へ戻る道。常となっている我が輩の不満気な声が響く。横を歩くヤコは、事件解決の礼にと渡された大量の桜餅を頬張っている。
 我が輩の不満に対し、多少謝意を表す顔はしているが。…休むことのない口と手がそれを台無しにしていることを、このゾウリムシは理解しているのか。

(以下本編に続く)

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『片羽』 Xメイン

 「持ってきたよ、パパ」

 右手に掴んだ桂木弥子のナマクビ。腕を伝う赤い血。

 「 ―― でも。俺が欲しいの、これじゃないんだ」

 クビと血 ― だったもの。右手から生えた赤い刃が。凶器となって目の前の男の体を貫いた。


 ―――――――――――――――――― すべてが終わって。

 「 ― Xはこれから、どうするの?」
桂木弥子がそんなことを、聞いた。


 「はー。何でこんなヘンピなとこにあるかなー」
誰もいない閑散とした墓地にそんな呟きが落ちる。聞く人も応える人も必要としない呟きに、生い茂った木々の葉擦れの音だけが抗議をするようにざわめいた。

 無縁仏を祭った共同墓地。もともと墓参りにくるような人も少なく、加えて辺りも薄暗くなってきた晩秋の夕暮れ時。わざわざこんな時分に訪れる者はあまりいない。あまり、というのはたとえば彼のような者がいるからで。
 
 「車で4時間だよ?どんだけ遠いのさ」

(以下本編に続く)
 

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